お風呂に入るのって、お肌にもいいって知っていましたか?
身体を洗って表面が綺麗になるだけじゃない!内側、外側両方から美肌効果が期待出来るらしいんです。「汚れを落とす!」って、躍起になってゴシゴシ擦ったりしていませんか?
実は、それだと逆効果になっているかもしれませんよ。美肌を目指すためのお風呂について知っておきましょう。美肌は一日にしてならず…毎日のお風呂習慣に取り入れてみて下さい。
お風呂を使った正しいスキンケアって?
お風呂の入り方で美肌になるか、もしくは逆効果でカサカサの肌になってしまうかも…。正しいお風呂の入り方・洗い方を知りましょう。
まず知っておきたい皮膚の構造
一言で「皮膚」って言っても、外側から順に「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層から出来ている。
それぞれ役目があって、表皮はバリア機能、真皮は体温調や潤いの調整機能、皮下組織は断熱・保温や衝撃吸収する…という具合に分担されて、はじめて「皮膚」の働きが出来るんです。
表皮は新しい細胞が古い細胞を押し上げるようにして新陳代謝「ターンオーバー」を行っていて、この時に押し上げられてくっついた古い表皮細胞が表皮の一番外側にある「角質」。
毛穴汚れの原因になったりするけど、本来は肌のバリア機能を強固にしてくれるもの。ターンオーバーは正常なら約一ヵ月のサイクルで行われるけど、これが乱れると肌荒れの原因になってしまうんです。
お風呂に入って影響を受けるのは、一番外側の「角質」層。美肌のためには角質をどうケアするかがポイントになってきます。
美肌の3大要素とは
「美肌」という言葉から、どんな肌を想像しますか?
「白い」「スベスベ」「みずみずしい」…色々出てきますね。「きめ細かさ」「色」「潤い」の3つの要素が美肌を決めると言われています。
きめ細かさは、角質層のターンオーバーの状態のこと。
正常なペースでターンオーバーが起こって、皮膚の表面の凸凹が均一できめ細かいかどうか。色は、生まれつきの色白・色黒に加えてシミなどの色素トラブルや血液循環の状態のこと。
うるおいは皮脂の分泌量が適切で多すぎたり少なすぎたりしないか、ということです。お風呂に入ることで、この3大要素をいい状態に持っていくことが出来るんですよ。
美肌になるための入浴法
「じゃあ、実際どんな条件でお風呂に入ればいいの?」と思いますよね。これから具体的な方法を紹介します。
温度は42度以下で、ぬるめのお湯に入ります。
一番の理由は、皮脂が余分に溶けだしてしまうのを防ぐためです。お風呂に入ると全身を覆っている皮脂や汚れが落ちます。肌の表面が綺麗になって、角質にも水分が入ってきます。「お風呂に入ったら肌にハリが出た気がする」というのは、あながち間違いでもないんですよ。
でも、「水分が補給されるから」と、長時間お風呂に入ったり、一日に何度も入るのはおすすめできません。
お風呂に入ってそのままにしてはダメなんです。
角質に水分が入るのは一時的な効果で、その後はどんどん乾燥してしまいます。入浴前よりもお肌から水分が抜けてしまう、といったデータがあるくらいです。
お湯に浸かることで皮脂が溶けだしてしまうんでしたよね。
皮脂だけでなく、セラミドも出ていってしまいます。
自分の体にある「肌のうるおい成分」が無くなってしまうってことになっちゃうんです。お風呂から上がったら5~10分以内に保湿して水分が失われるのを防ぎましょう。
もし肌荒れしている時は、長時間お風呂に入るのはやめましょう。少しだけど肌からミネラル分が失われてしまうので、さらに荒れてしまう可能性があるからです。
お風呂に入ることで血流と体温が上がって代謝アップ効果が期待出来ます。
ターンオーバーが促進されるし、身体の内側から肌の細胞に酸素や栄養素を届けてくれる。身体の外側と内側、両方から美肌ケアになるのがお風呂なんです。
石鹸・シャンプーの正しい使い方
今はどの家庭のお風呂にもある石鹸・シャンプー。これにも正しい使い方があるんですよ。
日本の石鹸のルーツは?
身体を洗うのにかかせないのが石鹸やボディソープ、シャンプー・リンスですね。お湯や水だけだと落ちにくい汚れも落とせるし、好きな香りを選べば楽しいバスタイムになる。
この石鹸やシャンプー、「界面活性剤」で出来ている物が多いんです。
水と油って混ざらないけど、それを混ざるよう出来る優れもの。脂溶性の汚れはお湯だけだと中々落とせなくても、界面活性剤の力で落ちるようになるんですよ。
界面活性剤は、天然の植物に含まれる「サポニン」っていう成分にルーツがあります。
日本の石鹸で、いわゆる「和ハーブ」って呼ばれるものの中にはマメ科のダイズやエゴノキやムクロジなどの樹木、ハイビスカスの仲間のアカバナ―にたくさん含まれて利用されてきたんだとか。
米ぬかも石鹸として銭湯で使われていたみたい。
石鹸・シャンプーは正しく使わないと、肌が荒れるかも…
さっき出てきたように、界面活性剤に脂を溶かして落とす効果があります。
ここで思い出してほしいのがお肌のこと。
うるおいには適量の皮脂が必要だって、覚えてましたか?
石鹸を使って汚れを落とすことはもちろん大事だけど、必要な皮脂まで落としてしまうと肌が乾燥してしまう可能性があるっていうことですね。
また、皮膚の表面には「常在菌」って呼ばれる細菌がいて、有害な物質や微生物から皮膚を守るバリアになってくれています。
菌、って言ってもいてくれないと困る菌ってことです。
普通、肌は弱酸性でバランスをとっています。でも、石鹸で洗い過ぎて皮脂が落ち過ぎるとそれが崩れちゃう。
皮膚バリアの機能が落ちたり、悪さをしないはずの常在菌が皮膚に害を与えたりして肌が荒れる可能性だってあるんです。
石鹸やシャンプーは、2.3日に1度で十分!?
今売っているボディソープやシャンプーは、「合成界面活性剤」といって人工的に石油から作られたものも多いんです。
「石鹸」とは区別するように法律で決まっているから、パッケージの成分表示を見れば一目瞭然。
「石鹸」は、天然の油脂から作って自然にある成分。
界面活性剤としての効果は脂や水に薄まるとなくなってくるし、もし洗い残しで皮膚に残ったとしても、皮膚の常在菌が分解してくれるんです。
合成界面活性剤は分解されずにそのまま残ってしまう。洗浄効果が強い一方、肌荒れはより起こしやすいリスクも持っているんですよ。
実は、皮膚科医の見解では毎回石鹸やシャンプーを使って洗う必要はないのだとか。石鹸やシャンプーを使った方がいいのは皮脂が多く分泌される頭や顔、粘膜のあるデリケートゾーン、肌と肌が触れる脇や指の間くらいのもの。
しかも2.3日に1度、タオルやブラシを使わずに手で優しく洗うだけでいいらしい!
皮脂が少ない手足は、なんと1週間に1度でもいいくらいみたい。
肌荒れに悩んで皮膚科を受診する人に、洗い過ぎで皮脂が落ちてしまっているのが原因だと思われることはよくあるみたいですよ。
外に出たり汗をかいたりする日もあるし、さすがに2.3日に一度、とは言っていられないけど…
「皮脂を落とし過ぎないように洗う」ってことは覚えておいた方が良さそうです。
日本人は昔から綺麗好き!
江戸時代には身分にかかわらず、色々な階級の人たちが銭湯に通っていたらしい。
日本に来た外国人の記録にも「日本人は大変に清潔な国民」という記録が残っているくらい。確かに海外旅行に行くと、バスタブがない国もたくさんある。
「何かと使い勝手が悪いな」って感じたことがある人もいるでしょう。
なんでこんなに綺麗好きかっていうと、神仏に祈りを捧げる前の「禊(みそぎ)」の思想があるからだって考えられている。
身体についた汗や汚れを落とすために、お風呂で心身を浄めるっていう意味で。
元々「肌を綺麗にする」っていう目的でお風呂に入ってたんだから、お風呂は日本人のスキンケアの原点とも言えるってことなんです。
スキンケアにおいて大切な、お風呂のポイントのまとめ!
では、スキンケアのために大切なポイントをまとめておさらいしてみましょう。
- お湯は42度以下で
熱過ぎると、皮脂が溶けだし過ぎちゃう!
- 10~15分程度にする
肌から水分が逃げていっちゃう
- 一日に何度も入らない
必要な皮脂まで落ちちゃうし、肌の水分も出ていっちゃう
- 全身浴で代謝アップ
角質のターンオーバーを促す
- シャンプー・ボディソープは適量使う
皮脂の落とし過ぎを防ぐ
- ゴシゴシ肌をこすって洗わない
⑤と同じで、皮脂の落とし過ぎを防ぐ
- スキンケアはお風呂からあがって10分以内に
どんどん乾燥するから、保湿してうるおい補給
スキンケア効果の高い入浴剤レビュー:雪塩の入浴剤イルコルポのレビュー。美白と冷え症対策効果を感じた
まとめ
美肌を目指すためのお風呂の入り方をご紹介しました。
ポイントは「皮脂」「常在菌」「うるおい」のバランス。
汚れを落とさないのはもちろん不潔だけど、お風呂に入りすぎても必要なものが失われちゃうんですね。何事もやりすぎは禁物ってことです。
石鹸やシャンプーの洗浄力は思っているより強いから、ゴシゴシ擦らなくても十分。一日一回のお風呂で、さっぱりすべすべのお肌を目指しましょう!